非貴金属系合金【vol.176】

非貴金属系合金

アイディシーNEWS vol.176 img201|アイディシー
     非貴金属系の合金として。
  1.  ニッケルクロム合金
  2.  コバルトクロム合金
  3.  純チタン及びチタン合金
  4. があります。

※ 近年、ニッケルクロム合金は健康保険適用外となり、代わりにチタン鋳造冠の大臼歯への保険適用となりました。
(2020年6月1日)

 

アイディシーNEWS vol.176

金属系材料、国際規格と材料の選択【vol.175】

金属系材料、国際規格と材料の選択

 2006年に、固定性及び可撤性修復物・装置用金属材料に関する国際規格(ISO22674)が制定されました。これにより従来の個別の合金に関する規格が廃止されたので、用途と物性の関係で材料の使用が明確になりました。

     この規格では、
  1.  カドミウム、ベリリウムは0.02%以上含んではいけない。
  2.  0.1%以上のニッケルを含む場合は含有量を明示するなど、毒性・為害性からの要求事項が重視。
  3.  耐食性については、全ての金属材料で200μg/cm2・7day以下の溶出量。
  4. などと規定されています。
    従って、安全性と耐食性が担保されれば、貴金属系合金も非貴金属系合金も同じ様に使用できる事になります。
<規格の物性では「耐力」「伸び」「弾性係数」が規定されています>
  • 耐力 → 金属は、靭性があるので、荷重を負荷して変形させると、弾性変形から塑性変形を経て破断する。塑性変形領域に移行する応力が耐力となる。
  • 伸び → 破断までの永久変形量を示す。

※ 構造材料として大きな荷重に耐える為には耐力が大きい事が要求されます。また伸びが一定以上ある事は破壊に対しての安全につながり、弾性係数が大きい材料は装置を薄くする事ができます。

補綴装置用金属材料の分類(ISO 22674,2006年)
タイプ 臨床用途 耐力
(MPa)
伸び
(%)
弾性係数
(GPa)
1 負荷のかかる単一歯固定性修復物
例)単純窩洞のインレー,ラミネートべニア,クラウン
80 18  
2 単一歯固定性修復物
例)インレー,クラウン
180 10  
3 複数歯固定性修復物
例)ブリッジ
270 5  
4 高負荷のかかる薄断面装置
例)可撒性義歯床,クラスプ,薄い被覆冠,ロングスパンブリッジ,連結部が小断面のブリッジ,バー,アタッチメント,インプラント上部構造
360 2  
5 高い剛性と強さが必要な装置 500 2 150
  • 金銀パラジウム合金は、熱処理硬化性を有しているので、タイプ2~4をカバーしています。
  • コバルトクロム合金、ニッケルクロム合金は、弾性係数の縛りがあるので、タイプ5の薄いフレームや、金属床に 使用されます。
  • チタンは、工業材料として、不純物を極少量含んだ純チタンが1種から4種まで分類されており、その内の2種が広く利用 されています。歯科用インプラントや、近年、保険収載 されたインゴットも、2種相当品で、これはISOのクラス2~3程度になります。
 

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支台築造用コンポジットレジン【vol.174】

支台築造用コンポジットレジン

支台築造用材料
1)メタルコア(鋳造コア)
  • 機械的強度が高い。
  • 歯冠崩壊が著しい場合に用いる。
  • 弾性係数が、象牙質より高いのでポスト先端に応力集中を生じ、歯根破折の原因となり易い。
2) レジンコア(コンポジットレジンコア)
  • 残存歯冠歯質が少ない場合に既成のポストとして金属製ポストとファイバーポストを用いる。
  • 金属製ポスト (金合金、ステンレス鋼、チタン及びチタン合金 )は、鋳造コアと比べ、強度は低いが弾性係数が象牙質より大きい為、歯根破折となってしまう。
  • ファイバーポストは、白色あるいは半透明のガラスファイバー、石英ファイバーで直径約 10μ mの繊維をレジン系マトリックスで束ねたもの。
  • レジンコアに使用されるコンポジットレジンは、フィラー含有量が50~80wt%で象牙質より低い曲げ弾性率に設計されている。
支台築造用材料
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◎ファイバーポストの使用上の留意点

アイディシーNEWS vol.174 img201|アイディシー
  1. ファイバーポスト表面に対するブラスト処理は、ファイバーが断裂する可能性があるので行わない。
  2. 切断する際は、ディスクの使用や専用のカッターを用いる。
    それにより、良好な断面となり、ポスト内部への汚染リスクを回避できる。
 

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調整研磨に使用するツールについて【vol.171】

調整研磨に使用するツールについて

 ジルコニアは硬いという印象がありますが、硬度は実際にはHV1160~1300 とダイヤモンドのHV10200 よりは低い数値になります。
ダイヤモンドの砥粒で被覆された器具によって研削したり、形態修正を行う事が可能となります。

<口腔内に適用可能な研削 ・ 研磨機材>
口腔内のジルコニア修復物に適用可能な研削・研磨器材
  名称 メーカー 砥粒組成 結合剤

シンターダイヤ 松風 ダイヤモンド 金属焼結
ダイヤモンドポイントFG 松風 ダイヤモンド 金属メッキ
ピトリファイドダイヤ 松風 ダイヤモンド、炭化ケイ素 ガラス
セラダイヤスーパーファースト Dedeco/茂久田 ダイヤモンド、アルミナ、チタニア
ジルコシャイン 松風 ダイヤモンド 合成ゴム
セラシャイン GC ダイヤモンド
セラムダイヤ モリタ ダイヤモンド、アルミナ、チタニア、
酸化亜鉛
セラダイヤポリッシャー Dedeco/茂久田 ダイヤモンド、炭化ケイ素、チタニア
  名称 メーカー 砥粒組成 研磨器材

ダイレクトダイヤペースト 松風 ダイヤモンド、チタニア、
グリセリン
スーパースナップ
バフディスク
ダイヤポリッシャーペースト GC ダイヤモンド、酸化亜鉛 PTCカップ、フェルト、
ブラシ
ジルコンブライト DVA/茂久田 ダイヤモンド、アルミナ、
珪藻土、ワックス
ブラシ、フェルト
 

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研磨材について【vol.171】

研磨材について

 鏡面研磨は、微細なダイヤモンド粉末を含むペースト状、又はワックス状の研磨材を使用します。

アイディシーNEWS vol.171 img203|アイディシー

ダイヤモンドペースト
a:ダイレクトダイヤペースト(松風)
b:ダイヤポリッシャーペースト(GC)
c:ジルコンブライト(Dedeco/茂久田)
d:ジルコボル(Feguramed/ペトロンジャパン)
e:デュラポリッシュダイヤ(松風)
c:パールサーフェース(クラレノリタケデンタル)

 

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支台歯における禁忌症例【vol.165】

支台歯における禁忌症例

 基本的に、鋭利な箇所が無く、アンダーカット等が無い状態が好ましくなります。
以下、例と共に注意すべき点を説明します。製作工程において、各設備、材料の特性上によって生じてしまう禁忌事項が多数あります。

(1)アンダーカット

 CAD/CAMシステムでは、アンダーカットはブロックアウトされるようになっています。
その結果、マージンと支台歯の間に隙間が生じてしまったり、マージンが開いてしまう可能性が生じてしまいます。

<単冠の場合 >

<連冠の場合 >

 
(2)Jマージン

 スキャニングの際に、マージンの鋭利な箇所は光が正確に反射されずにエラーを生じ易くなってしまいます。
またスキャニングが出来たとしてもマージンの鋭利な箇所が短く丸くなってしまい、完成した補綴物を模型に合わせても良好な適合が得られない事が多くなります。

 

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硬化促進材の添加の影響【vol.163】

硬化促進材の添加の影響

 一般的には硬化時間の短縮の為に塩(NaCl)や二水石膏(石膏スラリー)の使用が知られています。
但し、これらの使用は場合によっては硬化促進が期待できないのみならず、石膏自体の諸物性に悪影響を与える可能性もでてきます。

(1)塩(NaCl)の使用

 効果的に硬化促進するのは、硬化膨張が0.20%よりも大きな石膏に限られます。
低膨張の超硬石膏では、逆効果となり、硬化が遅延してしまいます。
これは元々、硬化膨張を抑制する様々な無機塩が予め含まれており、他の塩類による促進効果が期待できないためによるものです。そればかりか、硬化遅延を起因とする対印象模型面の荒れを起こしてしまう可能性があります。

(2)二水石膏(石膏スラリー/模型の削り粉)

 効果的に硬化促進は作用しますが、結晶核の増加は著しく、硬化膨張は増加してしまいます。
これは石膏スラリーを結晶核として、微細な二水石膏の析出により硬化時間が短くなり、硬化膨張が増加する事によります。
つまり石膏スラリーの濃度粒子径等の不均一な要素によるもので、安定して同じ精度を必要とする場合には不向きな事となってしまいます。
スラリー添加による、硬化膨張/硬化時間の影響は、最も調整材の含有率の低い普通石膏に顕著に現れてきます。

 
硬石膏(ニュープラストーンII、左図)、および同硬石膏に石膏スラリーを約1%添加して練和した石膏硬化体(右図)のSEM(走査型電子顕微鏡)像の比較(1000倍)。

 硬石膏(ニュープラストーンII、左図)、
および同硬石膏に石膏スラリーを約1%添加して練和した石膏硬化体(右図)のSEM(走査型電子顕微鏡)像の比較(1000倍)。
 右図では石膏スラリーを結晶核として微細な二水石膏の析出が見られ、空間が満たされている。
 その結果、硬化時間は短くなり、硬化膨張は増大する。

 
各石膏製品における、石膏スラリーと硬化膨張の関係(左)、硬化時間の関係(右)
 

アイディシーNEWS vol.163

石膏における練和方法の影響【vol.162】

石膏における練和方法の影響

 ある限度内において(最長120秒程度)で長く練和を行うと、硬化反応が均一に促進して、模型の精度と強度の向上につながります。
 操作性と諸物性を考慮すると60秒程度が望ましいとされていますが、これは、各石膏製品の諸物性の公表値というものが JISにて定められている60秒練和の値となっています。

 短時間での練和による石膏注入は、練和不足による強度低下によって模型の破折や、硬化遅延による模型印象面の荒れを招いてしまいます。
 又、石膏の練和泥も均一とはいかず、結果として不均一な硬化膨張につながって模型精度を損なう事になります。

 但し、60秒の手練和を実施する事は、負担が大きいと思われ、昨今では、石膏粉と水とのなじみもスムーズな製品も多くなり、以前と比べ短時間でも十分な練和も可能となっています。

img162-201

 ニュープラストーンⅡ混水比(0.23)における練和時間と強度の関係、強度測定は、 練和開始から1時間後に実施した。

 

 30秒程度で、60秒練和と同等の結果が得られる物もあります。
硬化体の寸法安定性、模型印象面、強度等の向上を求めるとすれば、最低でも30秒練和が望ましく、その結果、粉末の凝集がなくなり、凝集体から発する微小な気泡も減少し作業時間の短縮につながります。

アイディシーNEWS vol.162 2021年3月20日

各種石膏について【vol.160】

各種石膏について

 JIS規格を基にすると石膏模型は普通石膏、硬石膏、超硬石膏に大別されます。主原料として、α 半水石膏又は、 β 半水石膏の2種類から構成されています。

 α 半水石膏 ・・・・・硬質石膏、超硬質石膏

 β 半水石膏 ・・・・・普通石膏

 (双方とも化学式 CaSo₄ ・ 0.5H₂ O)

混水比

 メーカーの推奨している混水比は、臨床上の良好な練和性、操作性、好ましい硬化体が得られる水量に設定されています。
 普通石膏は粒子形状が不均一で多孔質の為、粒子が水を吸収し易く、その結果、混水比が大きくなります。
 硬石膏、超硬石膏は、粒子比表面積が小さいので、混水比が少なくなります。

普通石膏 0.4~0.5
硬石膏 0.23~0.25
超硬石膏 0.2

※ この混水比が硬化膨張、模型強度に関与してきます。

ISO6873;2013による石膏製品の分類、硬化膨張は、練和開始から2時間後の膨張値を測定する
  特徴 硬化膨張(%) 圧縮強さ(MPa)
最小 最大
タイプ1 普通石膏 印象用 0~0.15% 4.0 8.0
タイプ2 普通石膏 模型用 0~0.30% 9.0
タイプ3 硬質石膏 模型用 0~0.20% 20.0
タイプ4 硬質石膏 歯形用、高強度、低膨張 0~0.15% 35.0
タイプ5 硬質石膏 歯形用、高強度、高膨張 0.16~0.30% 35.0

アイディシーNEWS vol.160 2021年1月20日