研磨用材料について【vol.183】

研磨用材料について【研磨材】

ブラシ類に付ける研磨材をご紹介します。

      1)ダイヤポリッシャーペースト(ジーシー)
      ダイヤポリッシャーペースト(ジーシー)
      使用用途
      艶出し
      特徴
      約1μmのダイヤモンド砥粒を使用し、短時間で光沢面(表面粗さRa=0.1μm以下)に仕上げる事が可能。
      2)ジルグロス(松風)
      ジルグロス(松風)
      使用用途
      陶材、ニケイ酸リチウム、ジルコニアの最終艶出し
      特徴
      セラミックス製補綴物の最終仕上げ用のワックス研磨材
      ジルコニア製補綴物の対合歯摩耗リスクを防ぐ。
      3)ダイレクトダイヤペースト キット(松風)
      ダイレクトダイヤペースト キット(松風)
      使用用途
      口腔内の充填物、歯冠補綴物及び天然歯の清掃や光沢研磨用
      特徴
      各種補綴・修復装置の艶出し研磨用のペーストキット
      PMTC時の補綴・修復装置の再研磨(再艶出し)や装着・充填後の補綴・修復物の光沢仕上げに最適。
      4)アルテシャイン(山八)
      アルテシャイン(山八)
      使用用途
      ジルコニア、陶材、CAD/CAM冠、ハイブリッドレジン、硬質レジン
      特徴
      ファイン(赤)、エクストラファイン(青)の荒さの違う2種類により、従来より幅広く対応が可能。
 

アイディシーNEWS vol.183

研磨用材料について【vol.182】

研磨用材料について【ブラシ類】

<研削に用いられるブラシ類>
1)モリタ、スターグロス
特徴 合成バインダーに天然ダイヤモンドが高密度に充填されており、滑沢な研磨面を出しやすい。
使用手順 グレーズ後の調整された面に研磨ペーストを使用せずに艶を出せる。
ブルー→ピンク→グレー の3ステップで使用する
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2)セラハリケーン、HORIco、茂久田商会
適応 CAD/CAM 冠、ハイブリッドレジン、ジルコニア、陶材
特徴 ブルー:荒研磨
ピンク:中研磨
ホワイト:最終研磨

研磨ペーストを使用しなくても、研磨が可能 過剰な圧が掛かりにくいので、補綴装置のチッピングを防ぐ事 が可能

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3)ロビンソンブラシ 軟毛、Pollrapid、茂久田商会
適応 白軟毛:CAD/CAM 冠、ハイブリッド
グレー軟毛:ジルコニア、陶材
特徴 ブラシの間にペーストが入り込み、素早い研磨が可能となる。
程良い圧が加わるため、研磨ペーストの効果を引き出し、小傷も除去する。
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アイディシーNEWS vol.182

研磨用材料について【vol.181】

研磨用材料について

研削用ポイント=カーボンランダムポイント類とそれらによって出来たキズを修正するシリコーンポイント類

 研磨材料は、各メーカーにより多種多様な物が販売されています。
多くの物は研磨対象となるマテリアルが指定されていて、それにより効率良く作業が進められます。

<研削に用いられるポイント類>
アイディシーNEWS vol.181 img201|アイディシー 1)松風ビトリファイドダイヤ
適応対象) ジルコニア、陶材等のセラミックス製の補綴物の研削
特徴) 細粒のダイヤモンドを高密度に充填した研削材。セラミックス製の補綴物に対して 優れた研削力と耐久性 を持つ
アイディシーNEWS vol.181 img202|アイディシー 2)松風カーボランダムポイント
適応対象) 陶材、陶歯、硬質レジン、金合金、パラジウム合金、銀合金、天然歯の研削
特徴) 研削性、耐久性、操作性のバランスが良い
様々な材質の補綴物に対応
<研削に用いられるポイント>
アイディシーNEWS vol.181 img203|アイディシー 1))ジルコシャイン 松風
適応対象) ジルコニア等のセラミックス製の補綴物の研磨
特徴) セラミックス製の補綴物を研磨する為のゴム製研磨材
アイディシーNEWS vol.181 img204|アイディシー 2))松風シリコンポイントPタイプ
適応対象) 陶材、陶歯の中仕上げ研磨仕上げ用
特徴) 陶材、陶歯の中仕上げ、研磨仕上げ用だが、陶材のセルフグレーズ前に使用すればグレーズ後の表面により滑らかにできる。
アイディシーNEWS vol.181 img205|アイディシー 3)コンポマスター 松風
適応対象) コンポジットレジン、硬質レジン、硬質レジン歯、陶材メタルの研磨仕上げ
特徴) 多量の超微粒子ダイヤモンドをゴムバインダーに配合
コンポジットレジンに対しての最終仕上げ用のポイント
 

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非貴金属系合金【vol.176】

非貴金属系合金

アイディシーNEWS vol.176 img201|アイディシー
     非貴金属系の合金として。
  1.  ニッケルクロム合金
  2.  コバルトクロム合金
  3.  純チタン及びチタン合金
  4. があります。

※ 近年、ニッケルクロム合金は健康保険適用外となり、代わりにチタン鋳造冠の大臼歯への保険適用となりました。
(2020年6月1日)

 

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金属系材料、国際規格と材料の選択【vol.175】

金属系材料、国際規格と材料の選択

 2006年に、固定性及び可撤性修復物・装置用金属材料に関する国際規格(ISO22674)が制定されました。これにより従来の個別の合金に関する規格が廃止されたので、用途と物性の関係で材料の使用が明確になりました。

     この規格では、
  1.  カドミウム、ベリリウムは0.02%以上含んではいけない。
  2.  0.1%以上のニッケルを含む場合は含有量を明示するなど、毒性・為害性からの要求事項が重視。
  3.  耐食性については、全ての金属材料で200μg/cm2・7day以下の溶出量。
  4. などと規定されています。
    従って、安全性と耐食性が担保されれば、貴金属系合金も非貴金属系合金も同じ様に使用できる事になります。
<規格の物性では「耐力」「伸び」「弾性係数」が規定されています>
  • 耐力 → 金属は、靭性があるので、荷重を負荷して変形させると、弾性変形から塑性変形を経て破断する。塑性変形領域に移行する応力が耐力となる。
  • 伸び → 破断までの永久変形量を示す。

※ 構造材料として大きな荷重に耐える為には耐力が大きい事が要求されます。また伸びが一定以上ある事は破壊に対しての安全につながり、弾性係数が大きい材料は装置を薄くする事ができます。

補綴装置用金属材料の分類(ISO 22674,2006年)
タイプ 臨床用途 耐力
(MPa)
伸び
(%)
弾性係数
(GPa)
1 負荷のかかる単一歯固定性修復物
例)単純窩洞のインレー,ラミネートべニア,クラウン
80 18  
2 単一歯固定性修復物
例)インレー,クラウン
180 10  
3 複数歯固定性修復物
例)ブリッジ
270 5  
4 高負荷のかかる薄断面装置
例)可撒性義歯床,クラスプ,薄い被覆冠,ロングスパンブリッジ,連結部が小断面のブリッジ,バー,アタッチメント,インプラント上部構造
360 2  
5 高い剛性と強さが必要な装置 500 2 150
  • 金銀パラジウム合金は、熱処理硬化性を有しているので、タイプ2~4をカバーしています。
  • コバルトクロム合金、ニッケルクロム合金は、弾性係数の縛りがあるので、タイプ5の薄いフレームや、金属床に 使用されます。
  • チタンは、工業材料として、不純物を極少量含んだ純チタンが1種から4種まで分類されており、その内の2種が広く利用 されています。歯科用インプラントや、近年、保険収載 されたインゴットも、2種相当品で、これはISOのクラス2~3程度になります。
 

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支台築造用コンポジットレジン【vol.174】

支台築造用コンポジットレジン

支台築造用材料
1)メタルコア(鋳造コア)
  • 機械的強度が高い。
  • 歯冠崩壊が著しい場合に用いる。
  • 弾性係数が、象牙質より高いのでポスト先端に応力集中を生じ、歯根破折の原因となり易い。
2) レジンコア(コンポジットレジンコア)
  • 残存歯冠歯質が少ない場合に既成のポストとして金属製ポストとファイバーポストを用いる。
  • 金属製ポスト (金合金、ステンレス鋼、チタン及びチタン合金 )は、鋳造コアと比べ、強度は低いが弾性係数が象牙質より大きい為、歯根破折となってしまう。
  • ファイバーポストは、白色あるいは半透明のガラスファイバー、石英ファイバーで直径約 10μ mの繊維をレジン系マトリックスで束ねたもの。
  • レジンコアに使用されるコンポジットレジンは、フィラー含有量が50~80wt%で象牙質より低い曲げ弾性率に設計されている。
支台築造用材料
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◎ファイバーポストの使用上の留意点

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  1. ファイバーポスト表面に対するブラスト処理は、ファイバーが断裂する可能性があるので行わない。
  2. 切断する際は、ディスクの使用や専用のカッターを用いる。
    それにより、良好な断面となり、ポスト内部への汚染リスクを回避できる。
 

アイディシーNEWS vol.174

調整研磨に使用するツールについて【vol.171】

調整研磨に使用するツールについて

 ジルコニアは硬いという印象がありますが、硬度は実際にはHV1160~1300 とダイヤモンドのHV10200 よりは低い数値になります。
ダイヤモンドの砥粒で被覆された器具によって研削したり、形態修正を行う事が可能となります。

<口腔内に適用可能な研削 ・ 研磨機材>
口腔内のジルコニア修復物に適用可能な研削・研磨器材
  名称 メーカー 砥粒組成 結合剤

シンターダイヤ 松風 ダイヤモンド 金属焼結
ダイヤモンドポイントFG 松風 ダイヤモンド 金属メッキ
ピトリファイドダイヤ 松風 ダイヤモンド、炭化ケイ素 ガラス
セラダイヤスーパーファースト Dedeco/茂久田 ダイヤモンド、アルミナ、チタニア
ジルコシャイン 松風 ダイヤモンド 合成ゴム
セラシャイン GC ダイヤモンド
セラムダイヤ モリタ ダイヤモンド、アルミナ、チタニア、
酸化亜鉛
セラダイヤポリッシャー Dedeco/茂久田 ダイヤモンド、炭化ケイ素、チタニア
  名称 メーカー 砥粒組成 研磨器材

ダイレクトダイヤペースト 松風 ダイヤモンド、チタニア、
グリセリン
スーパースナップ
バフディスク
ダイヤポリッシャーペースト GC ダイヤモンド、酸化亜鉛 PTCカップ、フェルト、
ブラシ
ジルコンブライト DVA/茂久田 ダイヤモンド、アルミナ、
珪藻土、ワックス
ブラシ、フェルト
 

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研磨材について【vol.171】

研磨材について

 鏡面研磨は、微細なダイヤモンド粉末を含むペースト状、又はワックス状の研磨材を使用します。

アイディシーNEWS vol.171 img203|アイディシー

ダイヤモンドペースト
a:ダイレクトダイヤペースト(松風)
b:ダイヤポリッシャーペースト(GC)
c:ジルコンブライト(Dedeco/茂久田)
d:ジルコボル(Feguramed/ペトロンジャパン)
e:デュラポリッシュダイヤ(松風)
c:パールサーフェース(クラレノリタケデンタル)

 

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支台歯における禁忌症例【vol.165】

支台歯における禁忌症例

 基本的に、鋭利な箇所が無く、アンダーカット等が無い状態が好ましくなります。
以下、例と共に注意すべき点を説明します。製作工程において、各設備、材料の特性上によって生じてしまう禁忌事項が多数あります。

(1)アンダーカット

 CAD/CAMシステムでは、アンダーカットはブロックアウトされるようになっています。
その結果、マージンと支台歯の間に隙間が生じてしまったり、マージンが開いてしまう可能性が生じてしまいます。

<単冠の場合 >

<連冠の場合 >

 
(2)Jマージン

 スキャニングの際に、マージンの鋭利な箇所は光が正確に反射されずにエラーを生じ易くなってしまいます。
またスキャニングが出来たとしてもマージンの鋭利な箇所が短く丸くなってしまい、完成した補綴物を模型に合わせても良好な適合が得られない事が多くなります。

 

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硬化促進材の添加の影響【vol.163】

硬化促進材の添加の影響

 一般的には硬化時間の短縮の為に塩(NaCl)や二水石膏(石膏スラリー)の使用が知られています。
但し、これらの使用は場合によっては硬化促進が期待できないのみならず、石膏自体の諸物性に悪影響を与える可能性もでてきます。

(1)塩(NaCl)の使用

 効果的に硬化促進するのは、硬化膨張が0.20%よりも大きな石膏に限られます。
低膨張の超硬石膏では、逆効果となり、硬化が遅延してしまいます。
これは元々、硬化膨張を抑制する様々な無機塩が予め含まれており、他の塩類による促進効果が期待できないためによるものです。そればかりか、硬化遅延を起因とする対印象模型面の荒れを起こしてしまう可能性があります。

(2)二水石膏(石膏スラリー/模型の削り粉)

 効果的に硬化促進は作用しますが、結晶核の増加は著しく、硬化膨張は増加してしまいます。
これは石膏スラリーを結晶核として、微細な二水石膏の析出により硬化時間が短くなり、硬化膨張が増加する事によります。
つまり石膏スラリーの濃度粒子径等の不均一な要素によるもので、安定して同じ精度を必要とする場合には不向きな事となってしまいます。
スラリー添加による、硬化膨張/硬化時間の影響は、最も調整材の含有率の低い普通石膏に顕著に現れてきます。

 
硬石膏(ニュープラストーンII、左図)、および同硬石膏に石膏スラリーを約1%添加して練和した石膏硬化体(右図)のSEM(走査型電子顕微鏡)像の比較(1000倍)。

 硬石膏(ニュープラストーンII、左図)、
および同硬石膏に石膏スラリーを約1%添加して練和した石膏硬化体(右図)のSEM(走査型電子顕微鏡)像の比較(1000倍)。
 右図では石膏スラリーを結晶核として微細な二水石膏の析出が見られ、空間が満たされている。
 その結果、硬化時間は短くなり、硬化膨張は増大する。

 
各石膏製品における、石膏スラリーと硬化膨張の関係(左)、硬化時間の関係(右)
 

アイディシーNEWS vol.163