ジルコニアについて【vol.164】

歯科におけるジルコニア

 補綴物の溶出成分が関係しているアレルギーとして広く知られているのが金属アレルギーになります。
ニッケル、水銀、パラジウム等が広く知られています。
 近年では、全く金属を使用しない補綴物も幅広くでてきています。

 ジルコニアは「ホワイトメタル」と呼ばれていた事により、金属と誤解される事もありますが、ジルコニウム酸化物の焼結体であり、セラミックスに分類されます。
 無機物を焼き固めた焼結体であるセラミックスは、非常に安定した化学構造を有しているので、材料成分の溶出は極めて低いと考えられています。

 

ジルコニアとポーセレンとの比較

 従来のポーセレンでは、金属の裏装が必要であったため、主に唇側、頬側面での金属色の透過という問題がありました。
また咬合面でのクリアランス不足の際も、頬側のみのポーセレン層で、咬合面は金属が露出してしまうという事もありました。
ジルコニアは、高強度という事や、元々、白色という事で、これらの問題に対応する事が可能となりました。

 

アイディシーNEWS vol.164 2021年5月20日